お茶の入れ方の温度の決まり。温度によって味はどう変わる？

新茶のおいしい季節がやってきましたね。お茶は入れ方やお湯の温度によって味が変わってきます。

でも「どの温度で入れたときにどんな味になるのかわからない…」「もっとおいしくお茶を入れたいから、お湯の適温を知りたい！」なんて思っていませんか？

そうですよね。お湯の温度と味の関係を知らないと、どうやって入れればおいしくなるのかわかりませんよね。

この記事では、お茶の入れ方とお湯の温度による味の変化、そしておいしく入れるコツをご紹介します。これを読んで、ぜひおいしいお茶を楽しんでくださいね。

温度でお茶の味は何故変わる？そのメカニズムとは？

そもそもなぜお茶を入れるときのお湯の温度を変えると味が変わるのか、その不思議なメカニズムが気になりますよね。

お湯の温度でお茶の味が変わる理由は、温度によって茶葉から出てくる成分が変わるからなんです。

お茶の味に関係している成分は3つあります。

お湯の温度が変わると、この3つの成分のうちでどれが多く抽出されるかが変わってきます。それが、味の変化に繋がっているんです。

お茶の味に関係している「アミノ酸（テアニン）」「タンニン（カテキン）」「カフェイン」。それぞれがどんな味で、どの温度で多く抽出されるのかをご紹介します。

アミノ酸の一種であるテアニン。テアニンは、旨みや甘みの成分です。お茶が甘いって感じることがありませんか？それはテアニンによる甘みなんです。

テアニンを多く抽出する温度は、40～60度。かなり低いですよね。

「そんなにぬるくて大丈夫？」と心配になっちゃいますが、これが旨みや甘みの成分であるテアニンを多く抽出する温度なんです。

カテキンはお茶の成分の中でも有名ですよね。カテキンは、タンニンというポリフェノールの一種です。タンニンは渋みのもと。お茶の渋さはタンニンからきているんです。

タンニンを多く抽出する温度は、80度以上。ポリフェノールは体に良いことでも有名。タンニンを多く含んだお茶は健康にも良いですよ。

カフェインは眠気覚ましで有名ですが、お茶の味でいうと苦みなんです。

カフェインを多く抽出する温度も80度以上。高温になるほど多く抽出されるんです。熱湯でお茶を入れると、苦みとカフェインの効果で眠気覚ましにぴったりですね。

日本のお茶にはたくさんの種類があります。それぞれの茶葉の良いところを引き出して、おいしく入れるための温度と入れ方のコツをご紹介しますね。

ほうじ茶をおいしく入れる温度は「95度」。ほうじ茶は香ばしい香りが特徴ですよね。高温のお湯で入れて香りを引き立てましょう。

入れ方のコツは、お湯を入れてからあまり長く蒸らさないこと。高温のお湯でサッと入れるとおいしくなりますよ。

玄米茶をおいしく入れる温度は「95度」。ほうじ茶と同じで、香ばしい香りを楽しみたい玄米茶も、高温のお湯で入れましょう。

入れ方のコツは、やっぱりお湯を入れてからの蒸らし時間。長く蒸らしてしまうと苦くなりすぎてしまいます。高温のお湯でサッと入れてくださいね。

煎茶は、日本のお茶の中でもっともよく飲まれているもの。普段飲むお茶の定番ですよね。
そんな煎茶をおいしく入れる温度は「80度」。

煎茶は旨み・渋み・苦みのバランスがとても良いので、すべての味を楽しむには沸騰した状態から少し冷ました80度がちょうどいいんです。

入れ方のコツは、あなたの味の好みに合わせてお湯の温度を変えること。

苦みを楽しみたいなら80度より少し高温のお湯で、甘みを楽しみたいなら80度より少し低温のお湯で入れてみてください。味のバランスが良い煎茶ならではの楽しみ方ですよね。

深蒸し茶をおいしく入れる温度は「80度」。

深蒸し茶は、煎茶よりも蒸し時間を長くして、苦みや渋みをおさえてまろやかな味にしたもの。あまり高温のお湯で入れてしまうと、せっかくおさえた渋みや苦みが出てきてしまうので、80度くらいが適温です。

入れ方のコツは、渋みや苦みを出さないために蒸らし時間を短めにすること。さらに甘みを楽しみたいなら、お湯の温度をもっと下げて入れてみてくださいね。

玉露はまさに、お茶の世界の王様。上品な香りと旨み、そして甘みを楽しむ高級茶ですよね。

そんな玉露をおいしく入れる温度は「50度」。低い温度のお湯で、充分に甘みと旨みを引き出しましょう。

入れ方のコツは、蒸らし時間を少し長くすること。ちょっとぬるめのお湯でじっくり入れてくださいね。

お茶は、お湯の温度や入れ方で味が変わっていきます。高温のお湯で入れると渋みや苦み、低温のお湯で入れると甘みや旨みを楽しむことができますよ。

茶葉の特徴に合わせたお湯の温度で入れたり、あなたの好みの味になるようにお湯の温度を調節したり…。いろいろな入れ方で、お茶をおいしく飲んでくださいね。